目次
- 8割超が構想段階からの相談を希望。企業が求める「一緒に考え、最後まで作り切れるパートナー」とは
- 生成AIの普及で、9割超が「ベンダーに求めるものが変わった」と回答
- 必要な機能まで決まっていた企業は、わずか25.5%
- 要件未確定で外注先を探した企業の約半数が「発注側で要件定義を」と求められる
- 8割超が構想段階から相談したい一方、過半数は「気が引ける」
- 要件未確定時に求められるのは、判断を助ける対話
- 8割がベンダーに期待する、AI時代の“作り切る力”とは
- AI開発の実績だけでは不十分――約半数がセキュリティ体制も重視
- 曖昧な構想を「開発できる言葉」に変える。Engineerforceは要件定義の前から伴走します
- 調査概要
8割超が構想段階からの相談を希望。企業が求める「一緒に考え、最後まで作り切れるパートナー」とは
生成AIの普及により、システム開発の進め方は大きく変わりつつあります。
コード生成やテスト、設計支援などにAIを活用することで、開発期間や工数を削減できる可能性が広がりました。一方、AIによって開発工程が効率化されても、「何を作るべきか」「どの課題を解決すべきか」が自動的に決まるわけではありません。
むしろ実装のスピードが上がるほど、開発前の課題設定や機能選定が、プロジェクトの成果を左右します。
私たちEngineerforceは、従業員数500名以上の企業に勤務し、過去2年以内にシステム開発・デザインの外注先選定に携わった会社員110名を対象に、「AI時代のシステム開発ベンダー選定に関する実態調査」を実施しました。
調査では、72.6%が必要な機能の固まっていない段階で外注先を探し始めていたことが分かりました。また、82.7%が「予算はあるが、何を作るべきかが固まっていない」段階でも、システム開発会社への相談を希望しています。
本記事では、調査結果をもとに、AI時代にベンダーへ求められる役割と、発注企業が選定時に確認すべきポイントを解説します。
生成AIの普及で、9割超が「ベンダーに求めるものが変わった」と回答
生成AIが普及する前と比べ、システム開発ベンダーに求めるものが変わったかを尋ねたところ、「大きく変わった」が44.5%、「やや変わった」が48.2%でした。
合計すると、92.7%が変化を感じています。

以前より重視するようになった項目では、次の回答が上位となりました。
- AI活用で開発が速く、コストを抑えられること:59.8%
- 開発プロセスで生成AIを活用していること:44.1%
- 本当に必要な機能を見極めて提案すること:41.2%
- 要件が固まる前から相談に乗ってくれること:38.2%
- 事業側の言葉で対話できること:34.3%
- リリース後の改善・運用まで支援すること:25.5%
発注企業が期待しているのは、AIツールを使って開発を高速化する能力だけではありません。
必要な機能を見極めることや、構想段階から相談に乗ること、事業側の言葉で対話することなど、上流工程における提案力も重視されています。
必要な機能まで決まっていた企業は、わずか25.5%
外注先を探し始めた時点の状況について、最も多かった回答は「何を作るかは決まっていたが、機能は未確定だった」の54.5%でした。

回答の内訳は次のとおりです。
- 必要な機能まで、おおむね決まっていた:25.5%
- 何を作るかは決まっていたが、機能は未確定だった:54.5%
- 取り組む目的は決まっていたが、何を作るかは未確定だった:14.5%
- 予算や外注することは決まっていたが、目的から整理する段階だった:3.6%
必要な機能まで決まっていた企業は、わずか4社に1社程度です。
「機能が未確定」「何を作るか未確定」「目的から整理する段階」を合わせると、72.6%が機能の固まっていない状態で外注先を探し始めていました。
実際の発注現場では、次のような状態から外部パートナーを探すケースが少なくありません。
- 経営課題はあるが、システムでどう解決するか分からない
- 新規事業の構想はあるが、サービスの具体像が決まっていない
- 既存システムを刷新したいが、優先すべき機能を決められない
- AI活用を求められているが、自社に適した用途が分からない
- 予算は確保できたが、投資対象を絞り込めていない
要件が固まっていないことは、例外的な状態ではありません。構想から具体的なシステムへ落とし込む部分にこそ、外部パートナーの支援が求められています。
要件未確定で外注先を探した企業の約半数が「発注側で要件定義を」と求められる
要件が固まっていない状態で外注先を探した人に、どのような支障を感じたかを尋ねたところ、最多は「要件定義は発注側で行うよう求められた」の48.8%でした。

続いて、以下の回答が挙がっています。
- 何から始めればよいか相談できる相手がいなかった:40.0%
- 社内で要件を固めるのに時間がかかり、開始が遅れた:35.0%
- 要件整理のために別途コンサル会社を探す必要があった:31.2%
- 要件が固まるまで提案や見積もりが出てこなかった:25.0%
- ベンダーごとに提案の前提がそろわず、比較できなかった:20.0%
発注企業は、要件を整理するために専門家へ相談したい。一方、開発会社は、要件が決まっていなければ工数や費用を見積もりにくい。
この両者の間に「上流工程の空白」が生じています。
発注企業だけで要件を作ろうとすると、プロジェクトの開始が遅れるだけでなく、必要性の低い機能が含まれる可能性もあります。
一方、コンサルティング、UI/UXデザイン、開発を別々の会社へ依頼すると、構想と実装の間で意図が十分に引き継がれないことがあります。
8割超が構想段階から相談したい一方、過半数は「気が引ける」
「予算はあるが、何を作るべきかが固まっていない」段階でシステム開発会社へ相談することについて、「積極的に相談したい」は30.0%でした。
さらに、「相談したいが、要件が固まる前に相談するのは気が引ける」が52.7%となっています。
合計すると、82.7%が構想段階からの相談を希望しています。

相談したい具体的な場面では、次の回答が上位となりました。
- 予算は確保できたが、何を作るべきか決まっていないとき:48.4%
- 経営層からDX・AI活用を求められたが、具体策がないとき:44.0%
- 既存システムの刷新は決まったが、方針が定まらないとき:37.4%
- 新規事業の担当になったが、何から始めればよいか分からないとき:34.1%
- 社内に要件を整理できる人材がいないとき:29.7%
要件が固まっていないからこそ専門家に相談したい。それにもかかわらず、「曖昧な相談を持ち込んではいけない」と考え、相談が遅れている実態がうかがえます。
要件未確定時に求められるのは、判断を助ける対話
要件が固まっていない段階で担当者に求める対応として、最も多かったのは「専門知識がなくても分かる言葉で説明してくれる」の50.0%でした。
続いて、「実現が難しい点やリスクも理由を添えて伝えてくれる」と「要望に対して見直し案を示してくれる」が、ともに43.6%となっています。

発注企業が求めているのは、依頼した機能をそのまま受け入れる御用聞きではありません。
必要性の低い機能を削ること、実現が難しい場合は理由と代替案を説明すること、次に決めるべき事項を整理することなど、適切な意思決定を支援できる担当者が求められています。
8割がベンダーに期待する、AI時代の“作り切る力”とは
生成AIが普及した現在、ベンダーに「作り切る力」を期待する人は80.0%でした。
一方で、82.7%は、何を作るべきかが固まっていない段階から相談したいと回答しています。
「一緒に考えてほしい」と「最後まで作り切ってほしい」は、対立する要望ではありません。
企業が求めているのは、構想整理だけを行うコンサルタントでも、決められた仕様だけを実装する開発会社でもなく、課題整理から本番運用まで一貫して担えるパートナーです。

AI時代の“作り切る力”には、以下の能力が含まれます。
- 事業目的や現場の課題を整理する
- 必要な機能と優先順位を決める
- AIに任せる部分と人が担う部分を切り分ける
- UI/UXを含めて実際に使える形へ設計する
- PoCで終わらせず本番環境へ実装する
- リリース後の利用状況を確認し、改善を続ける
「一緒に考える力」は、最後まで作り切るための前提なのです。
AI開発の実績だけでは不十分――約半数がセキュリティ体制も重視
ベンダーのAI対応力を判断する際、確認したい項目として最も多かったのは「AI機能を組み込んだ開発実績」の55.5%でした。

そのほか、次の回答が続いています。
- AI活用時のセキュリティ・情報管理体制:49.1%
- AIを前提としたUI/UX設計の知見:41.8%
- AIに任せる部分と人が担う部分の切り分け:35.5%
- AIを使い改善を素早く回せる体制:30.9%
「開発に生成AIを使っている」という説明だけで、ベンダーのAI対応力を判断することはできません。
AI機能を本番サービスへ組み込んだ経験、機密情報の管理、誤出力への対応、利用者が理解しやすいUI設計など、実際の運用まで含めて確認する必要があります。
曖昧な構想を「開発できる言葉」に変える。Engineerforceは要件定義の前から伴走します
システム開発の相談に、完成した要件定義書や詳細な機能一覧は必須ではありません。
Engineerforceでは、構想や課題がまだ曖昧な段階からご相談いただけます。
最初に行うのは、希望する機能の聞き取りだけではありません。事業の目的、想定するユーザー、現在の業務、予算や期間、社内の制約を整理し、「誰の、どの課題を解決するのか」を明らかにします。
そのうえで必要な機能と優先順位を整理し、ワイヤーフレームやFigmaのプロトタイプを使って、画面と操作の流れを可視化します。
当社の特長は、UI/UXデザイナーとエンジニアが分断されず、要件定義の段階から連携することです。
使いやすさだけを優先して実装が難しくなったり、技術的な都合だけでユーザー体験が損なわれたりしないよう、デザインと実装可能性を同時に検討します。
AI活用を希望される場合も、AI導入ありきでは進めません。既存システムの改修やルールベースの自動化も含めて比較し、目的に合った方法をご提案します。
課題整理から要件定義、UI/UX設計、開発、本番リリース、保守運用まで、同じチームが責任を持ってつなぐ。それが、Engineerforceが考える「一緒に考え、最後まで作り切る」支援です。
要件が固まっていないことは、相談を先延ばしにする理由ではありません。まだ言葉になっていない構想を、実現可能なプロジェクトへ変えるところからお手伝いします。
調査概要
- 調査名称:AI時代のシステム開発ベンダー選定に関する実態調査
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2026年9月16日~9月24日
- 有効回答:従業員数500名以上の企業で、過去2年以内にシステム開発・デザインの外注先選定に携わった会社員110名
※本調査は対象条件に該当する回答者の意識を示すものであり、すべての企業に一律に当てはまることを示すものではありません。
※構成比は端数処理により、合計が100%にならない場合があります。
