BtoB向けのプロダクト開発において、「リリース」はゴールではなく、あくまでスタートラインに過ぎません。しかし実際の現場では、リリース後の改善が思うように進まず、事業成果に結びつけられずにいるケースも少なくないようです。
株式会社Engineerforce(本社:東京都渋谷区、以下 当社)は、過去2年以内にBtoB向けプロダクト(SaaS・業務システム等)をリリースし、現在プロダクト改善業務に携わる担当者111名を対象に「プロダクトリリース後の運用改善の実態と開発パートナーの選定基準に関する調査」を実施し、このたびその結果を公開しました。
調査からは、KPIを設定している企業が約8割にのぼる一方で、その成果を確信を持って実感できている企業はわずか3割程度にとどまるという、意欲と実感の間にあるギャップが浮かび上がりました。本記事では調査結果の概要を紹介しつつ、特に多くの企業が今まさに直面している「開発パートナーの選定基準」について詳しく掘り下げていきます。
目次
KPIを設定する企業は8割。しかし成果を言い切れる企業は3割にとどまる
まず、リリース後のプロダクト改善におけるKPI(事業指標)の設定状況を尋ねたところ、「設定している」と回答した企業は78.4%にのぼりました。多くの企業が、感覚ではなく数値に基づいてプロダクト改善に取り組もうとしている姿勢がうかがえます。
一方で、「自社のリリース後の改善が事業成果(売上・利用継続・顧客満足など)に十分つながっていると思うか」という問いに対して、「非常にそう思う」と明確に成果を実感できていたのは27.0%でした。「ややそう思う」を合わせれば81.1%が肯定的な回答をしているものの、確信を持って「成果につながっている」と言い切れる企業は約3割にとどまっているのが実態です。
この差はどこから生まれるのでしょうか。「リリース後のプロダクト改善の取り組みとして最も近いもの」を聞いた設問では、「不具合の修正・保守対応が中心である」が44.1%で最多となりました。対して「事業KPI起点で改善し、効果測定まで一体運用している」と答えた企業はわずか6.3%です。多くの現場は、KPIという「目標」は掲げつつも、日々の実務は不具合対応に追われる”守りの改善”にとどまっており、事業成果を見据えた”攻めの改善”にまで手が回っていないというギャップが透けて見えます。

「改善したくてもできない」ー 現場が抱える4つの壁
実際、リリース後の改善に「課題を感じている」と回答した企業は83.8%にのぼり、「全くそう思わない」と答えた企業はゼロでした。ほぼすべての現場が、何らかの形で改善の難しさに直面していることになります。
具体的な課題として最も多く挙げられたのは「改善に充てる人員・工数が足りない」(54.8%)。以下、「改善に必要なノウハウや知見が社内にない」(48.4%)、「改善の優先度が上がらず後回しになる」(47.3%)、「改善の効果を測定・評価できていない」(45.2%)と続き、リソース・ノウハウ・優先順位づけ・効果測定という4つの壁が、ほぼ横並びで現場を悩ませていることが分かります。

数値だけでは見えてこない、組織や仕様に起因する構造的な悩みも根深いようです。
外部の開発パートナーは、まだ「保守対応」どまりが多数派
こうした課題を抱える現場にとって、外部の開発パートナーはどこまで力になれているのでしょうか。「現在、リリース後の改善において外部の開発パートナーはどこまで対応しているか」を聞いたところ、最多は「不具合の修正・保守対応まで」(33.3%)でした。「要望に応じて機能の追加・改修まで」(30.6%)が続く一方、「事業KPI起点の改善・効果測定まで」対応しているケースはわずか1.8%にとどまっています。
つまり現時点では、開発パートナーの多くが「依頼されたことに対応する存在」にとどまっており、事業成果を起点に自ら改善を提案・実行する”伴走者”としての役割を果たせているケースは、まだごく少数派だといえそうです。

約8割が「継続的に伴走できる開発パートナー」を重要視
ここで注目したいのが、今回の調査で最も差が際立った設問です。「リリース後も継続的に伴走し、改善まで支援できる開発パートナーは重要だと思うか」という問いに対し、「非常にそう思う」(42.3%)と「ややそう思う」(39.6%)を合わせて81.9%、実に約8割の担当者がその重要性を認めています。
先述の通り、実際にそこまで対応できているパートナーはわずか1.8%。企業が開発パートナーに寄せる「期待」と、現状の「実態」との間には、大きな開きがあることが今回の調査で明らかになりました。

【本題】開発パートナー選定基準ランキング ー 現場が本当に重視していること
では、企業が開発パートナーを選ぶ際、具体的に何を基準にしているのでしょうか。「リリース後の運用改善を任せる開発パートナーを選ぶとしたら、重視する基準」を上位3つまで回答してもらった結果が、以下のランキングです。
| 順位 | 選定基準 | 回答率 |
| 1位 | 企画から運用まで一体で支援できる | 40.5% |
| 2位 | 技術力や開発実績が高い | 37.8% |
| 3位 | リリース後も継続的に伴走できる | 31.5% |
| 4位 | 改善の効果を測定・可視化できる | 30.6% |
| 5位 | 事業KPIを起点に改善を提案できる | 29.7% |
| 6位 | コストが見合っている | 28.8% |
| 7位 | 開発・改善のスピードが早い | 17.1% |
| 8位 | 機能の追加だけでなく削減も提案できる | 16.2% |
最も支持を集めたのは「企画から運用まで一体で支援できる」(40.5%)でした。単発の開発案件を請け負うだけでなく、企画段階から関わり、リリース後の改善までを一気通貫で支援してくれる存在が求められていることが分かります。
2位の「技術力や開発実績が高い」(37.8%)は開発パートナーに対する基本的かつ普遍的な要求といえますが、注目すべきはその先です。3位「リリース後も継続的に伴走できる」(31.5%)、4位「改善の効果を測定・可視化できる」(30.6%)、5位「事業KPIを起点に改善を提案できる」(29.7%)と、”リリース後”や”事業成果”を意識した項目が僅差で並んでおり、単なる「発注先」ではなく「事業の共創パートナー」としての役割を期待する声が強く表れています。
これらの声から見えてくるのは、スキルや実績以上に「自社の一員のように、同じ目線で課題に向き合ってくれるかどうか」という、姿勢や関係性そのものへの期待です。ランキング上位の定量的な結果と、自由回答から浮かび上がる定性的な本音は、見事に同じ方向を指し示しているといえるでしょう。
まとめ:これからの開発パートナーに求められる3つの条件
今回の調査結果を総括すると、次の3点が条件として浮かび上がってきます。
- KPIを”設定するだけ”で終わらせず、事業成果に確実に結びつけられること
- 不具合対応・保守にとどまらず、事業成果を起点にした”攻めの改善”を提案できること
- 単発の開発で終わらせず、企画から運用改善までを一体で伴走できること
プロダクトはリリースして終わりではなく、そこからが本当のスタートです。ここまで見てきた3つのポイントは、裏を返せば「これからの開発パートナーに求められる3つの条件」でもあります。そして株式会社Engineerforceは、この3条件を満たす開発パートナーです。
KPIを”設定するだけ”で終わらせず、事業成果に落とし込むところまで伴走すること。不具合対応や保守にとどまらず、UI/UXデザインとシステム開発の両輪で”攻めの改善”を提案できること。そして、企画から開発、リリース後の運用改善までをEngineerforceなら一気通貫で伴走支援いたします。
